【証券アナリスト】財務分析ノート23「合併会計と連結範囲」

 それでは実際に例題を解いていきましょう!

問題をそのままコピーすると著作権に触れますので、私が改訂しております。要点は掴めるのでご安心ください。

設問:X1 年度末にA社は自社の株式と交換にB社の発行済株式の100%を取得して、B社 を吸収合併した。A社がB社の株主に対して発行した株式の時価総額は8,000百万円であった。下表は、A社とB社のX1年度末の貸借対照表のデータである。資産と負債を時価評価すると、A社の土地に2,500百万円、B社の土地に1,500百万円の含み益があり、その他の資産と負債は時価と簿価が等しかった。また、この合併は「取得」と判定された。

資産 A社 B社 合計
現預金 7,500 1,500 9,000
売上債権 30,000 10,500 40,500
棚卸資産 22,750 7,350 30,100
有形固定資産 37,500 4,000 41,500
資産合計 97,750 23,350 121,100
負債・純資産 A社 B社 合計
仕入債務 24,000 7,950 31,950
借入金 15,000 10,500 25,500
負債合計 39,000 18,450 57,450
払込資本 17,500 3,000 20,500
留保利益 41,250 1,900 43,150
純資産合計 58,750 4,900 63,650
負債純資産合計 97,750 23,350 121,100

問題1:合併後のA社の払込資本はいくらですか?

  1. 22,000百万円
  2. 24,500百万円
  3. 25,500百万円
  4. 28,000百万円
  5. 28,500百万円

問題2:合併後のA社が計上するのれんはいくらですか?

  1. -900百万円
  2. 1,500百万円
  3. 1,600百万円
  4. 4,000百万円
  5. 4,100百万円

問題3:合併直前にB社の売上債権の一部 250 百万円が回収不能なことが追加的に判明し、 A社がB社の株主に対して発行した株式の時価総額がその回収不能額と同額だけ減額 された。この場合、合併後のA社が計上するのれんはいくらですか?

  1. -650 百万円
  2. 1,250 百万円
  3. 1,350 百万円
  4. 1,600 百万円
  5. 3,850 百万円

解説1:正解は③

A 社の払込資本は株式の発行総額だけ増加するので、

17,500 百万円+8,000 百万円=25,500 百万円。

解説2:正解は③

A社が新たに発行した株式の時価総額と、B社の資産と負債を時価評価した後の純資産額(純資産時価)との差額がのれんとなるため、

A社の発行株式の総額 8,000百万円-{B社の資産時価合計24,850百万円(簿価23,350百万円+土地の含み益1,500百万円)-B社の負債時価合計18,450百万円}=1,600百万円

解説3:正解は④

売上債権の回収不能額250百万円の判明により、B社の純資産時価(=資産時価-負債時価)は同額だけ減少した。一方、A社の株式発行総額も同額だけ減額された。

のれんはA社の株式発行総額とB社の純資産時価の差額であるから、同額の減額では変化が生じず、問題2と同じ1,600百万円

問題4:企業結合会計に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか?

  1. 親会社自身が設立した100%子会社について、親会社の持株比率が一貫して100%であれば、当該子会社に関してのれんが計上されることはない。
  2. 日本基準では、のれんは原則として取得原価で据え置かれる。
  3. 子会社から親会社に対する配当金は、親会社の個別損益計算書のみならず連結損益計算書においても収益として処理される。
  4. ある会社を連結の範囲に含めるか否かは、議決権の過半数を所有しているか否かだけで決められる。

解説4:正解は①

  1. 正しい。この場合、子会社株式の取得価額は原理的に、投資と資本の相殺消去手続において消去される子会社の純資産額と一致するからである。
  2. 投下資金の回収とともに価値を失っていくと考えられることから、日本基準ではのれんに有形固定資産と同様の規則的償却を求めている。
  3. 内部取引に係る相殺消去の対象となるため、連結損益計算書においては収益とならない。
  4. 議決権の所有割合以外も総合的に勘案し、実質的な支配が及んでいるか否かで決定される。

問題5:企業結合会計とのれんに関する次の記述のうち、正しいものはどれですか?

  1. 対価が存続会社の上場株式である企業結合をパーチェス法で会計処理した場合、消滅会社の時価による純資産額だけ存続会社の資本が増加する
  2. 企業結合会計基準によれば、のれんは20年以内のその効果の及ぶ期間に渡って、合理的な方法で規則的に償却しなければならない
  3. 現行制度ではパーチェス法が適用されるため、取得企業を恣意的に決める余地はない
  4. のれんの減損テストでは、取得したのれんと企業結合後に生成されたのれんを分離し、取得したのれんの回収可能額を見積もらなければならない

解説5:正解は②

  1. 対価が存続会社の上場株式である企業結合をパーチェス法で会計処理した場合、発行株式の時価総額だけ存続会社の資本が増加する。
  2. 正しい。
  3. 株式を対価とする企業結合の中には、取得企業と被取得企業を明確に識別できないものもある。その場合、結合される企業の中から取得企業を選択してパーチェス法を適用するため、恣意的に取得企業を選択する余地が生じる。
  4. 企業結合によって取得したのれんと企業結合後に生成されたのれんの区分は極めて困難であり、両者は分離されないまま減損テストが実施されている。

 

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