【宅建業法】宅建独学者向けノート5「8種規制の内容と根拠条文」

皆さんこんにちは!ピーマンです。

今回は「8種規制の内容」について発信していきます!

8種規制は宅建試験において出題される頻度の高い項目です。8種類もあり覚えるのは大変そうですが、サボって覚えずに出題されるとショックのあまり焼肉も喉を通らなくなりますよ。

[box06 title=”こんな人にオススメ”]

  • 宅建受験予定者
  • 不動産業界に所属している方
  • 不動産業界を目指す就活生

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目次

8種規制とは

8種規制とは、情報力や交渉力がある宅建業者と顧客(消費者)の間にある差を埋めるために、様々な(8種類の)規制を宅建業者にかけ、顧客を保護することが目的の規制です。

したがって、買主も宅建業者である場合や、宅建業者から依頼を受けた媒介・代理業者が契約を成立させる場合などには8種規制は適用されません

8種規制の内容

8種規制は買主である顧客を守るために、民法の規定を修正して作成されました。

したがって、大本である民法の規制が宅建業法でどのように修正されたのか、という点に着目すれば覚えやすいと思います。

損害賠償額の予定の制限

債権者は、債務者が債務不履行をした場合には相当因果関係にある損害について賠償請求ができます。民法では損害賠償請求額に上限はないのです。

一方、宅建業法では損害賠償請求額に上限があります

宅建業者が自ら売主になる場合には、損害賠償額と違約金の合算額が、売買代金の2/10を超える定めをしてはいけません。超える場合には、超える部分のみが無効になります。

[box03 title=”損害賠償額の予定の制限”]

  • 民法:損害賠償予定額の上限なし
  • 宅建業法:損害賠償予定額の上限あり(違約金と合わせて代金額の2/10が上限)

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手付金の性質と額の制限

民法上では、買主が売主に交付する手付金の意味合いは当事者間に任せており、特に定めがない場合は解約手付と推定されます。金額も特約も自由です。

解約手付が交付されている場合、買主の方から契約を解除するときは手付金を放棄します。反対に売主の方から契約解除する場合には、手付金の倍額を支払うことになります。

そして契約解除は相手方が履行に着手するまでに限られる、という時期の制限があります。

一方宅建業法では、宅建業者が売主になる場合には手付金は解約手付とみなします。推定ではなく断定的に見なすのです。

そして特約ですが、買主に対して不利な特約は無効です。

手付金の額は、代金額の2/10を超えてはなりません。後述する手付金の保全措置が講じられても、2/10を超えてはダメです

[box03 title=”手付金の性質”]

  • 民法:解約手付と推定。金額も特約も自由
  • 宅建業法:解約手付と断定。代金額の2/10が上限、買主に対して不利な特約は×

[/box03]

手付金の保全措置

保全措置とは、宅建業者が顧客から受け取ったお金(手付金など)を安全に返せるようにするための仕組みです。

民法では、保存措置を講じるように義務付けてはいません

一方宅建業法では、せめて顧客が支払った分だけは全額返済できるように、宅建業者はお金を受け取る前にあらかじめ保存措置を講じることを義務付けられています

ゆえに、宅建業者が保全措置を講じなければ、買主はお金を支払わなくても債務不履行にはなりません。

保全措置の方法ですが、売買の対象が完成物件か未完成物件かによって違いがあるので注意が必要です。

手付金の保全措置の方法
未完成物件の場合
  • 保証委託契約:金融機関を連帯保証人にする
  • 保証保険契約:保険をかける
完成物件の場合
  • 保証委託契約
  • 保証保険契約
  • 手付金等寄託契約:手付金を指定保管機関に預かってもらう

なお、買主が所有権の登記をしたとき、受領金額が少額のときは保全措置を講じる必要はありません。具体的な金額の目安は次の通りです。

  • 未完成物件の場合:代金の5%以下&1,000万円以下
  • 完成物件の場合:代金の10%以下&1,000万円以下

自己所有しない物件の売買契約締結の制限

民法上では他人物売買契約は有効です。

他人物売買契約とは、Aさんの土地を業者Bが顧客Cさんと売買契約を結ぶことを言います。業者Bにとって取引している土地は、Aさんの(他人物)ものですよね。

また、未完成物件の売買についても有効です。

一方宅建業法では、原則自分のものではない宅地建物については宅建業者が売主となって売買契約を結んではいけないと定められています。未完成物件の売買もダメです。

しかし現実に他人物売買契約や未完成物件の売買は日常的に行われています。原則が適用されない例外を見てみましょう。

先ほど例に挙げた登場人物を用いて説明していきます

  • Aさん:自分の土地を売りたくて宅建業者Bに代理販売をお願いしている
  • 業者B:Aさんからの委託を受け、土地を代理販売している
  • Cさん:業者Bが販売している土地の購入を検討している

他人物売買の例外

民法では他人物売買は原則できませんが、売主の宅建業者が代理販売を頼んできた顧客と物件を取得する契約(停止条件付の契約では×)を結んでいる場合には、買い手と宅建業者で他人物売買契約を行うことができます。

宅建業者BはAさんから土地を譲り受ける契約を結んでいるのであれば、確実に土地を取得することができるので、買い手のCさんに引き渡すことができます。

未完成物件の例外

未完成物件の例外が認められるのは、先述した手付金の保全措置が講じられている場合です。

買い手のCさんには、少なくとも支払ったお金は戻ることが担保されているので、損を被ることがないからです。

クーリング・オフ制度

民法では、契約を一度結ぶと、債務不履行等の相当な事由がなければ契約解除することはできないとされています。

同様に、顧客が一度買いたいと申し込んだ場合、購入の撤回をすることは許されていません。

しかし宅建業法ではクーリング・オフ制度を認めています。クーリング・オフ制度の要点は次の通りです。8種規則の中で最も試験に出題される規則だと思うので、しっかりと理解してください。

内容

クーリング・オフとは、宅建業者が売主になる場合において、「事務所等以外の場所」で行われた購入の申し込みや売買契約は、買主は申込みの撤回や契約の解除ができるとする制度です。

契約場所の要件

クーリング・オフ制度が認められている背景として、顧客が冷静な判断ができない場合を想定しています。なので、宅建士が駐在しているような本格的な事務所での申込・契約であれば冷静な判断ができるのでクーリング・オフによる契約解除はできません。

しかし、そもそも申込・契約した場所が事務所ではなかったり、集中ができないうるさい場所であったりすると、顧客の判断に悪影響を与える可能性がある恐れから、クーリング・オフの適用対象となります

すると次に、事務所の定義やうるさい場所の定義が問題になりますよね。ここが出題されやすいのでしっかり分けて覚えましょう。

クーリング・オフ適用できない場所としては、

  • 宅建業者の事務所
  • 重要事項の説明が受けられる場所(成年の専任宅建士が置かれる場所)
  • モデルルームなどしっかりとした説明ができる出張所(テント張りの案内所ではダメ)
  • 顧客が申し出た場所で、自宅・勤務地の場合

上記の場所で申込・契約を行なった場合はクーリング・オフの適用対象外なので、撤回や解除ができません。

時期の要件

宅建業者が、「クーリング・オフができます」と書面で説明した日から8日間以内。書面で告げた日から起算するので、口頭ではダメです。

注意点

  • クーリング・オフの申し出は、顧客が書面を発したときと判断されます。つまり宅建業者に届いていなくても、8日以内にクーリング・オフを書面にて申し出ていれば適用されます
  • 解除によって契約は無効になるので、原状回復義務が発生します。つまり業者が受け取っていた手付金は顧客に返還する必要があります。
  • クーリング・オフによって契約が解除されても、宅建業者は損害賠償請求や違約金請求はできません。
  • クーリング・オフの規定に反するような、顧客に不利な特約は無効になります。
クーリング・オフ
原則 例外
書面によりできる(発信主義) 解約できない

【効果】

  • 業者による損害賠償請求・違約金請求は×
  • 手付金の金銭を速やかに返還

【特約】

  • 申込者に不利な特約無効
  • 冷静な判断が可能な場所で契約した

・事務所
・案内所(宅建士がいて、テント等簡易施設ではない)
・買主申出で自宅・勤務先

  • 履行関係の終了(引渡しを受け、かつ代金全額を支払った場合)
  • (書面で告げられた日から)8日間の経過

瑕疵担保責任の特約の規制

民法では宅地建物に隠れた瑕疵がある場合には、買主が善意無過失で瑕疵を発見した時から1年以内なら損害賠償請求ができるとしています。しかし認められているのは契約の解除と損害賠償請求であり、修繕請求はできません。

また、売主に過失がない場合でも売主は瑕疵担保責任を負わないといけません。つまり売主の無過失責任なのです。

一方で買主に対して不利な特約を結ぶことも許されています。

宅建業法では、買主に不利な特約は禁止されています。しかし一点だけ、物件を買主に引き渡した日から2年以上という行使期間を決める特約は許されています。

例えば「担保責任追求期間は引渡しから3年間とする」などはOKです

瑕疵担保責任の特約の制限
原則 例外
不利な特約は無効 期間についてのみ有効
(引渡日から2年以上)

割賦販売契約の解除の制限

民法では、割賦販売で契約し支払いが滞った場合は、売主は相当な期間を定めて催告し、その期間内に履行されないときは、契約を解除することができます。

特約については自由に定めてO Kです。

一方宅建業法では、宅建業者が売主となって割賦販売契約を締結した場合、支払いが滞った時でも、30日以上の期間を定めて、書面にて催告した後でなければ契約を解除することはできません。この定めに反する特約は無効です。

割賦販売における所有権留保の禁止

民法では所有権留保も譲渡担保も認められています。

所有権留保とは、代金の支払いがされるまでは、そのものの所有権を売主に残しておくことです。

譲渡担保とは、担保にするものの所有権そのものを債権者に移し、弁済が済めば回復させることです。

一方で宅建業法上では、所有権留保は原則禁止です。宅建業者が売主となって割賦販売契約を締結した場合には、目的物を買主に引き渡すまでに、登記等の売主の義務を履行しないといけません。

しかし次の場合は例外です

  • 宅建業者が受け取っている金額が代金額の3/10以下の場合
  • 受け取っている受領額が代金額の3/10を超えていても、買主が抵当権の設定や保証人を立てるなど担保を設定しない場合

そして譲渡担保も宅建業法では禁止されています。

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宅建をいつでも復習できるWebノートを公開しています。他の記事も併せて読んでみてください(^_^)

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問題1:宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、取引の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

ア:宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物についての自ら売主となる売買契約を締結してはならないが、当該売買契約の予約を行うことはできる。

イ:宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、取引の相手方が同意した場合に限り、当該不適合について買主が売主に通知すべき期間を当該宅地又は建物の引渡しの日から1年とする特約を有効に定めることができる。

ウ:宅地建物取引業者は、いかなる理由があっても、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。

エ:宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、その相手方に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。

 

解答1:1つ

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