【宅建業法】宅建独学者向けノート3「営業保証金と弁済業務保証金」

皆さんこんにちは!ピーマンです。

今回は「営業保証金と弁済業務保証金」について発信していきます!

この項目は毎年1問は出題されているので、必ず覚えておきたいですね。税金を除けば、宅建の中で最も覚えるべき数字が多い項目でもあるので、その都度その都度確認しながら学習を進めていきましょう!

[box02 title=”こんな人にオススメ”]

  • 宅建受験予定者
  • 不動産業界に所属している方
  • 不動産業界を目指す就活生

[/box02]

目次

営業保証金

営業保証金とは

営業保証金とは、宅建業者の債務不履行によって顧客が不当な損害を被ることがないように設けられた保証金です。

宅建業法は、宅建業務を開始する前に供託所に営業保証金を預けることを、宅建業者に要求しています。

そして預けたお金は、損害補償などで顧客が受け取る場合は還付といい、宅建業者が返してもらう場合は取戻しといいます。

[box03 title=”営業保証金の仕組み”]

  1. 宅建業者が供託所に供託
  2. 補償があった場合は供託所が顧客に還付
  3. 宅建業を辞めるなどの場合は、供託所が宅建業者に取戻し

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なお、これから供託、還付、取戻しについて詳しく見てきますが、「誰が」「いくら」「何を」「どこに」という点に注意しながら学習していくと得点力UPに繋がります。試験に頻出だからです。

営業保証金の供託

営業保証金の供託は宅建業者が供託所に対して行います。

主たる事務所(本店)は1,000万円、従たる事務所(支店)は1カ所につき500万円の合計額です。

つまりピーマン不動産が、渋谷に本店、新宿と六本木にそれぞれ1支店ずつ設ける場合、2,000万円(1,000万×1+500万×2)供託する計算になります。

そして供託するものですが、現金はもちろん、次の有価証券でもOKです。有価証券の種類によって、保証金として扱われる金額が異なるので注意しましょう。

[box03 title=”供託が認められている有価証券”]

  • 国債:100%
  • 地方債・政府保証債:90%
  • その他:80%

※株式や小切手など信用力が不安定な有価証券はNG

[/box03]

いくらの営業保証金を何で供託するか決まったら、最後にどこに供託するかが問題ですが、これは主たる事務所(本店)の最寄りの供託所(法務局)です。全額一括して供託します。

営業保証金の供託
誰が 宅建業者
いくら 本店:1,000万円、支店:500万円
何で 金銭・有価証券

国債 額面の100%
地方債・政府保証債 額面の90%
その他 額面の80%

 

どこで 主たる事務所(本店)の最寄りの供託所
いつ 免許取得後供託し、免許権者に供託書の写しを添えて届出

※免許取得後3ヶ月経っても供託した旨の届出がなければ、免許権者から催告され、さらに1ヶ月間音沙汰なしなら免許取り消しも可能

その他 【事務所を増設する場合】

  • 増設する分の金額だけ供託して届出をしないと、その事務所は営業できない

【本店を移転する場合】

  • 金銭のみで供託している場合:保管替え請求
  • 有価証券でも供託している場合:実際に供託しないと行けない

つまり、金銭のみで供託している場合、供託所に保管する場所を替えるように頼むだけで事足りる。しかし有価証券でも供託している場合は、移転先の供託所に実際にも供託する。すると二重供託になるので、前の供託所に保証金の取戻しを請求する

営業保証金の還付

営業保証金は、宅建業者と取引した者で、宅建業に関する取引により生じた債権を有する者が還付を受けることができます。

還付を受けれる金額は、その宅建業者が供託している営業保証金の範囲内です。

宅建業者に融資したお金の返還請求権、広告を作成した事による報酬請求権、従業員の給料債権は、宅建業に関する取引ではないので還付の対象外

そして還付をしたことで発生する営業保証金の不足額は、次のような流れで補填します。

[box03 title=”営業保証金の不足額の供託まで”]

  1. 顧客が供託所に還付請求
  2. 供託所は顧客に還付(不足額発生)
  3. 供託所は免許権者に保証金が不足した旨を通知
  4. 免許権者が宅建業者に通知
  5. 宅建業者が2週間以内に不足額を供託
  6. 宅建業者が2週間以内に供託書の写しを免許権者に届出

[/box03]

営業保証金の還付
誰が 宅建業に関する取引から生じた債権を有する者
いくら 供託している営業保証金の範囲内
還付後の流れ
  • 免許権者から通知書の送付を受けた日から2週以内に不足額を供託
  • その後、2週間以内に免許権者に届出

営業保証金の取戻し

営業保証金の取戻しには、全部を取り戻すことができる場合と一部を取り戻すことができる場合の2つに分かれます。

全部を取り戻すことができる場合は次の通りです。

  • 免許取消処分を受けて宅建業を続けることができなくなった時
  • 保証協会の社員となり、弁済業務保証金制度を利用することとなった時(後述します)

一部を取り戻すことができる場合は、事務所の一部を廃止する時など、供託している保証金が過剰になっている時です。

そして取戻しの際は、原則宅建業者は6ヶ月以上の期間を決めて、債権者に対して権利の主張をするように促す公告をする必要があります。そして公告した旨を免許権者に届け出ます。

しかし例外的に、次の場合は公告不要で直ちに保証金の取戻しを行うことができます。

  • 二重供託している時
  • 保証協会に加入することとなった時
  • 取戻し事由が発生してから10年経過した時
営業保証金の取戻し
取戻し事由と手続き 【取戻し事由】

  • 免許の取消し
  • 事務所の一部廃止
  • 主たる事務所の移転
  • 保証協会に加入

【手続き】

6ヶ月以上の期間を定めて、権利を申し出る申し出るべき旨の公告が必要(二重供託、保証協会加入、10年経過は例外)

弁済業務保証金

弁済業務保証金とは

これまで見てきた営業保証金ですが、最低でも1,000万円用意しないと営業ができないことになり、宅建業者への負担は大きいですよね。

そこで、宅建業者の負担を軽減させる目的で、保証協会制度が設定されました。

保証協会制度は、集団保証の趣旨で成り立っており、宅建業を始めたいが営業保証金は用意できない多くの社員(加入している業者のこと)が加入しています。

とはいえ宅建業を営むにあたり保証金は必要ですから、保証協会は弁済業務保証金分担金、いわゆる分担金を営業保証金の代わりに供託するように宅建業者に要求しています。

保証協会の加入者には、営業保証金の代わりに分担金を供託をさせることで、より負担が少なく宅建業を開始できるようにしているのです。

供託する金額、そして保証協会が間に入っているかいないかが、営業保証金と大きく異なる点です。

保証協会への加入

社員・保証協会の仕組み

宅建業者の保証協会への加入は任意ですが、重ねて2つ以上の保証協会に加入することはできません。

そして宅建業者は保証協会に弁済業務保証金分担金(以下分担金)を納め、保証協会が供託所に弁済業務保証金を納めます。

弁済業務保証金の供託先は、法務大臣及び国土交通大臣の指定する供託所です。

[box03 title=”分担金と弁済業務保証金”]

  • 分担金:宅建業者から保証協会に納める
  • 弁済業務保証金:保証協会が法務大臣・国土交通大臣が指定する供託所に供託

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加入の手続き

宅建業者が保証協会に加入した時、保証協会はその宅建業者の免許権者に報告しないといけません。

「おーい、お前んとこの坊主、うちでも面倒みるで〜」って感じですね。

そして保証協会は、加入前に宅建業者が行っていた取引で弁済が発生しそうなものがあれば、担保の提供を要求することができます。

「お前さん、うちに入る前にやってこれ(危ない取引)、結構危ないんじゃないの?さすがに担保入れてくれや」って感じでしょう。

分担金の金額

宅建業者は、保証協会に加入するまでに、分担金を納める必要があります。その金額は次の通りです。

主たる事務所(本店) 60万円
従たる事務所(支店) 1ヶ所につき30万円
  • 営業保証金は金銭以外に有価証券でも供託できましたが、分担金は金銭のみ
  • 分担金の供託を受けた保証協会は、その日から1週間以内に納付相当額の弁済業務保証金を保証協会に供託
  • 弁済業務保証金の供託は、分担金と異なり有価証券でもO K
  • 有価証券の評価額は営業保証金と同様
弁済業務保証金の供託
誰が 保証協会
どこへ 法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所(東京法務局)
いくら
  • 本店:60万円
  • 支店:30万円×支店数
何によって 金銭・有価証券(分担金は金銭のみ
いつまでに
  1. 業者は保証協会に加入するまでに分担金を納付する
  2. 保証協会は、受領後1週間以内に弁済業務保証金を供託、その旨を当該事業の免許権者に届出する
事務所の増設 事務所増設後2週間以内に分担金を納付する

弁済業務保証金の還付

還付を受けることができる人は、宅建業に関する取引を行った者です。

そして還付の限度額は、その宅建業者が営業保証金制度を利用していた場合に還付を受けることができる金額の範囲内に限定されます。

還付により不足した分担金を穴埋めする流れは次の通りです。

[box03 title=”分担金を補填の流れ”]

  1. 顧客が保証協会の認証を申し出る
  2. 認証を受け、顧客が供託所に還付の請求をする
  3. 供託所は、顧客に還付を行った場合、国土交通大臣にその旨を通知
  4. 国土交通大臣は保証協会にその旨を通知
  5. 保証協会は2週間以内に供託所に不足額を供託
  6. 保証協会は宅建業者に通知
  7. 宅建業者は通知を受けた日から2週間以内に不足額を穴埋め

[/box03]

弁済業務保証金の還付
誰が 宅建業取引から生じた債権を有する者
※宅建業者は除かれる
※社員となるの取引も含まれる
保証協会による認証は必要
いくら 営業保証金なら供託しているはず」の金額の範囲内
還付後
  1. 国土交通大臣から通知を受けた日から2週間以内に、保証協会は弁済業務保証金を供託
  2. 保証協会から通知を受けた日から2週間以内に、業者は保証協会に還付充当金を納付

弁済業務保証金の取戻し

社員である宅建業者に一定の事由が生じた場合、保証協会は供託所から分担金を供託所から取戻し、そのまま宅建業者に返還します。

取戻しができる事由は次の通りです。

  • 全額取戻しができる事由:保証協会の社員でなくなった時
  • 一部取戻しができる事由:支店の廃止

保証協会は6ヶ月以上の期間を定めて、債権者に保証協会の認証を受けるべき旨を公告します。その後、弁済業務保証金を社員に返還できるのです。

弁済業務保証金の取戻し
取戻し事由
  • 全額取戻し:社員の地位喪失
  • 一部取戻し:支店の廃止
手続き
  • 原則:社員への変換には6ヶ月以上の期間を定めて、認証を受けるため申し出るべき旨の公告が必要
  • 例外:事務所の一部廃止の場合は不要

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宅建をいつでも復習できるWebノートを公開しています。他の記事も併せて読んでみてください(^_^)

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