【用語解説】逆イールドとは?発生理由とリセッションではない理由を解説

皆さん逆イールドという言葉をご存知でしょうか。

2019年度から特に耳にする機会が多くなった言葉ですが、今回は逆イールドは一体なにを意味するのか市場への影響等について解説していきます!

株式市場を分析する際にも役立つ概念なので、個別株やETF投資している方はぜひご参考ください。

この記事で分かること
  • 逆イールドの意味
  • 逆イールドの株式市場への影響
  • 逆イールドとリセッションの関係
目次

逆イールドとは

逆イールドとは、長期金利の金利よりも短期金利の金利が高くなることです。

通常、金利は長期(長期債)になればなるほど高くなります。保有期間が長いほどリスクが高くなり、そのリスクに見合った金利が形成されるからです。

期間が長い債券ほど金利が高くなることを「順イールド」といい、何らかの理由で期間の短い債券の方が金利が高くなることを「逆イールド」と言うのです。

出所:やさしい株のはじめ方「株価下落のサイン!?逆イールドとは」

それでは、”何らかの理由”とは何でしょうか。逆イールドが発生する理由についてみていきましょう。

逆イールドの発生理由とリセッションとの関係

逆イールドが発生する理由は、景気後退懸念等の理由で安全資産のである長期債が買われ、長期債利回りが低下し長期金利が短期金利より低くなるからです。

逆イールド現象→景気後退(リセッション)の流れを詳しくみていきましょう。

STEP
景気が過熱気味になる

景気が良くて経済が活発に!でも少し加熱してきた感もある

STEP
中央銀行が政策金利を引き上げる

中央銀行が政策金利を上げて過熱感を抑えようとする

STEP
短期金利が上昇する

短期国債(2年国債)の利回りは政策金利とほぼ同じ動きになるので、短期金利が上昇する

STEP
長期金利が低下する

金利が上がると長期的には景気加熱が収まって今ほどの好景気では無くなるという判断がされて、長期国債(10年国債)が買われる(長期国債の利回りが低下する)

STEP
逆イールドが発生する

結果的に、短期国債の利回り>長期国債の利回り(逆イールド発生)となる

STEP
金融引き締め政策がリセッションを誘発させる

金利引き締めの効果で実際に景気後退局面(リセッション)に向かう

つまり、逆イールド現象が景気後退(リセッション)を引き起こしてるわけではなくて、中央銀行による金利引き上げが景気後退の引き金となっています。

事例:米中貿易摩擦と逆イールド

2019年8月の事例をもとに、逆イールドについて深堀していきましょう。

当時、なぜ米中貿易摩擦によって長期金利(10年国債)が下がった(長期国債が買われた)のでしょうか。

それは当時タカ派(金利あげる派)だったパウエル議長が、今年に入ったあたりからだんだんとハト派(金利下げる派)になってきたからです。

もともと金利上げる派だったのに急に金利を下げると言い始めると、市場は「そんなに景気は悪くなりそうなのか!」と思い、債券(特に長期国債)買いに集まります。

結果として、長期金利が下がってしまうのです。(債券買=金利低下です)

つまり、トランプ大統領があまりに市場を不安にさせるような言動を繰り返した結果、当時逆イールド現象が起こったともいえるわけです。

それではなぜ、逆イールドは株式相場にまで影響を与えたのでしょうか。

逆イールドと株式市場

2019年8月に発生した逆イールドが、株式相場を急落させた原因ははっきりとわかっていません。

しかし、ロイター通信などいくつかの報道機関は「逆イールドが一定時間続くと、ポジションを解消する(売りに出す)プログラムの影響が大きいのではないか」と報じていました。

実際、プログラムによる市場操作の影響力は大きいです。例えば、トランプ大統領が中国について貿易摩擦を激化させるツイートをした瞬間、ドル円は下落しています。瞬間的にです。

人間では不可能な速度で取引が行われているのですが、この真相は、そういうツイートがあったらいくらドルを売る!というプログラムを組んでいるから発生しています。

その流れを人間が追いかけているという感じです。当時は株式市場でその現象が発生したのでしょう。

まとめ

これまで逆イールドについてお伝えしてきましたが、結論としては、逆イールド現象はメカニズム的にリセッションの前兆とは考えにくい、と言うことです。

しかし、2年債券と10年債券による逆イールド現象はリセッションという見方がそもそも強いので、群衆心理的にそのまま景気後退懸念が強くなってしまえば、結果的に景気後退に陥る可能性も否定できません。

逆イールドと株式市場の関係を見るなら次のようになります。

逆イールドと株式市場

先行き懸念のイベント発生→逆イールド現象になる→リスクオフムードが強くなる→株価が下がる

逆イールドは必ずしもリセッションを意味しないこと、そして金利市場や株式市場への影響を適切に見極めて、ポートフォリオを調整していくことが重要です。

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