【財務指標】EPSの意味・計算・見方を元証券マンが解説!

目次

EPSの意味

EPSとは”Earnings Per Share”の略で、日本語では1株あたり利益(1株利益)と言います。

1株あたりで会社がどのくらいの成果を叩き出したかを示す指標であり、投資家の間では頻繁に用いられる企業の成長指標です。

EPSの意味

EPS:発行株式1株あたりの収益水準(純利益)

PERとは異なり、会社の規模や業種によって値が大きく変動することもないので、多くの会社が経営指標としてEPSを採用しています。

出典:野村ホールディングス「決算説明資料」

EPSの計算

EPSの意味を確認できたところで、次にEPSの計算式をみていきましょう。

EPSの計算式

EPS(円)=当期純利益÷発行株式数
EPS(円)=株価÷PER(株価収益率)

100億円の当期純利益を叩き出した企業の発行株式数が1億株なら、EPSは100(100億円÷1億株)になります。

そして株価が1,000円の企業のPERが10倍であれば、EPSは100(1,000÷10)になります。トヨタ自動車で確認してみましょう。

出典:SBI証券「トヨタ自動車」

2021年5月7日のトヨタ自動車(7203)の株価は8,364円です。PERは12.51倍ですね。8,364÷12.51=668.58になります。簡単ですね。

予想EPS=予想当期純利益÷発行株式数 -SBI証券

EPSの見方

企業の成長性を判断

EPSは1株あたりの純利益の示す指標なので、企業の業界や規模に関係なく他社と比較することができます。どのぐらいの利益を叩き出しているかを示す絶対的な指標になるのです。

EPSが成長性を示すと言われる所以は、前期比や次期収益予測との比較に便利だからです。

EPSは変動する理由は、分子である純利益の変動、もしくは分母である発行株式数の変動のどちらかしかありません。企業の発行株式数の変動は頻繁には起こらないので、分母は一定として純利益の変動を追っていきやすい指標なのです。

EPSと成長期待

EPSが上昇傾向=純利益が増加傾向→株価も上昇
EPSが下落傾向=純利益が減少傾向→株価も下落

EPSの注意点

EPSを投資判断の材料として用いる際は次の点に注意が必要です。

  • 自社株買いや株式併合でEPSは上昇する
  • 増資や第三者割当でEPSは減少する
  • 利益捻出でもEPSは上昇する

EPSは企業の利益水準を見る際の指標ですが、分母に発行株式数を採用している以上、ここの変動で如何様にも変わっています。

自社株買いや株式併合で発行株式数が減れば同じ利益水準でもEPSは上昇します。逆も然りで増資や第三者割当で発行株式数が増えれば同じ利益水準でもEPSは減少します。

純利益についても注意が必要です。利益は本来の営業活動で稼いだ利益である営業利益を参考にするべきでしょうが、EPSでは純利益を採用しています。

保有株式の売却や不動産の売却で、営業活動以外の一時的な大きな利益を計上できれば、営業活動の結果が悪くても純利益は高水準を維持でき、EPSも同様に高水準になります。

純利益と発行株式数の操作によってEPSが変動することに留意して、投資判断に用いるようにしましょう。

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