【相続・事業承継】独学者向けFP2級ノート2「相続税の計算」

今回は、FP2級独学者向けに、相続・事業承継科目の「相続税の意味と計算」について発信していきます!

[box02 title=”こんな方におすすめ”]

  • FP2級学習者
  • FP2級の学習予定の方
  • FP2級の内容を復習したい方
  • 相続について学習したい方

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〈第1回の「相続と遺産分割」については下記の記事をご参考ください〉

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目次

相続税とは

相続税は、相続や遺贈によって、財産を取得した場合にかかる税金です。

FP試験では相続税の計算が試験で頻繁に出題されるので、しっかり学習していきましょう。

相続税の納税義務者

相続税の納税義務者は、原則として相続や遺贈によって財産を取得した個人です。

持分の定めのない法人や人格のない社団も納税義務者となる場合があります。

相続税の課税対象

相続税の課税対象は納税義務者の特性によって次のように異なります。

課税財産
居住無制限納税義務者 国内財産&国外財産
非居住無制限納税義務者 国内財産&国外財産
制限納税義務者 国内財産のみ

 

出典:相続税のチェスター

相続税の申告

相続税の申告についての概要は以下にまとめております。

申告書の提出義務者 相続や遺贈によって財産を取得した人
提出期限 相続の開始があったと知った日の翌日から10ヶ月以内
提出先 被相続人の死亡時における住所地の所轄税務署長
  • 相続財産が基礎控除以下の場合は申告は不要
  • 配偶者の税額控除、小規模宅地等の特例の適用を受ける場合は納付税額が0円でも申告が必要
  • 相続税の申告期限までに遺産分割が行われていない場合、配偶者の税額軽減の特例、小規模宅地等の評価減の特例を受けることができない

相続税の納付

相続税に限らず、税金は金銭一括納付が原則ですが、相続税については延納や物納が認められています。

延納

延納とは、相続税の全部または一部について年払いで分割して納付する方法です。次の要件を満たす場合に認められています。

[box04 title=”延納の要件”]

  • 金銭一括納付が困難であること
  • 納付すべき相続税額が10万円を超えていること
  • 延納申請書を申告書の提出期限までに提出すること
  • 担保を提供すること

[/box04]

  • 延納した場合は延納税額と利子税がかかる
  • 延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下の場合は担保が不要
  • 延納できる最長期間は20年

物納

物納とは、相続税を相続財産によって納付する方法です。次の要件を満たす場合に認められています。物納は物納の許可後1年以内であれば撤回できます。

[box04 title=”物納の要件”]

  • 延納によっても金銭納付が困難であること
  • 物納申告書を申告書の提出期限までに提出すること

[/box04]

物納には次のように順位が設けられており、順位が高い財産が優先的に物納されます。

[box04 title=”物納の順位”]

  • 第一順位:国債、地方債、不動産、船舶、上場株式、社債
  • 第二順位:非上場株式、社債
  • 第三順位:動産

[/box04]

また、物納できない財産もあるので注意しましょう。

[box04 title=”物納できない財産”]

  • 担保権が設定されている不動産
  • 境界が不明確な土地
  • 権利の帰属について争いがある不動産
  • 共有物である不動産

[/box04]

物納財産の収納価額(評価額)は、原則として相続税評価額となります。

延納から物納への変更

原則として延納から物納への変更はできません。

ただし、申告期限から10年以内である場合で延納による納付すらも困難になった場合は延納から物納に変更できます。

相続税の計算

相続税の計算の流れ

相続税の税額は次の流れで計算していきます。

出典:相続税理士相談Cafe

相続税の計算の流れとしてはざっくり

  1. 課税価格を計算
  2. 相続税の総額を計算
  3. 各人の納付税額を計算

このようになります。

めちゃくちゃ面倒そうですが、各STEPを分解すれば決して難しいものではありません。

それでは各STEPを丁寧にみていきましょう。

①課税価格を計算

出典:みずほ証券

相続税の課税価格を算出するためには、被相続人から相続した財産を集計し、そこから非課税財産や控除金額を差し引くことで課税価格を算出します。

それでは、各項目について確認していきましょう。

相続財産

相続財産とは、被相続人が生前に所有していた財産のことです。金銭で換算できる財産を指します。

[box04 title=”相続財産の例”]

  • 預貯金
  • 金融商品(株式、債券など)
  • 不動産(土地、建物など)
  • ゴルフ会員権
  • 各種債券

[/box04]

抵当権は独立した財産ではないので相続財産に該当しません。

みなし相続財産

みなし相続財産とは、相続財産ではないものの、被相続人の脂肪を原因として相続人が受け取った財産です。

みなし相続財産には次の2つがあります。

生命保険 被相続人が保険料を負担していた保険契約で、被相続人の死亡によって支払われる保険金
死亡退職金 被相続人の死亡によって支給される退職金で、被相続人の死後3年以内に支給が確定したもの

被相続人の死後3年が経過した後に支払いが確定した死亡退職金については、相続人の一時所得として所得税の課税対象となります

相続開始前3年以内に贈与財産(生前贈与加算)

相続人が、相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた場合、その贈与財産は相続財産として加算されます。

この際の財産評価は贈与時の時価です。

相続時精算課税制度による贈与財産

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母または祖父母から20歳以上の子・孫への生前贈与について、子・孫の選択により利用できる制度です。

相続時精算課税制度を適用した財産は相続財産として加算しますが、このとき、相続財産として加算される価格は贈与時の時価です。

非課税財産

次の財産には相続税は課されません。

[box04 title=”相続税の非課税財産”]

  • 墓地、墓石、祭具、仏壇など
  • 生命保険金のうち一定額
  • 死亡退職金のうち一定額

[/box04]

生命保険金については次の計算式で求めた金額が非課税となります。

[box03 title=”生命保険金の非課税限度額”]

非課税限度額=500万円×法定相続人

各人の非課税金額=非課税限度額×その相続人が受け取った死亡保険金/全相続人が受け取った死亡保険金

[/box03]

相続を放棄した人は相続人ではないため、相続を放棄した人が受け取った保険金等については非課税の適用はありません。

相続人が受け取った弔慰金は以下の範囲まで非課税です。

[box03 title=”弔慰金の非課税額”]

  • 業務中の死亡

非課税限度額=死亡時の普通給与×36ヶ月分

  • 業務外の死亡

非課税限度額=死亡時の普通給与×6ヶ月分

[/box03]

なお、法定相続人の数について、相続税の計算上と民法では異なる扱いをしています。

[box04 title=”相続税計算上の法定相続人”]

  • 相続の放棄があった場合

放棄がなかったものとして法定相続人の数に算入する

  • 養子がいる場合

・被相続人に実子がいる場合…養子は1人まで
・被相続人に実子がいない場合…養子は2人まで

  • 養子でも実子とみなされる場合

・特別養子縁組によって養子になった人
・配偶者の実子で被相続人の養子となった人
・代襲相続人で被相続人の養子となった人

[/box04]

債務・葬式費用

被相続人の債務を承継した場合は、承継した債務を課税価格から控除することができます。

なお、葬式費用を負担した場合も負担した葬式費用を課税価格から控除できます。

以下、控除の対象となるものとならないものを以下にまとめておきます。

控除できるもの 控除できないもの
債務
  • 借入金
  • 未払いの医療費
  • 未払いの税金
  • 墓地等の未払費
  • 遺言執行費用
葬式費用
  • 通夜・告別式・火葬・納骨費用
  • 死体捜索費用
  • 香典返戻費用
  • 法要費用

 

②相続税の総額を計算

出典:みずほ証券

これまで求めてきた相続税の課税価格から、遺産に係る基礎控除額から「課税遺産総額」を算出します。STEP2は簡単ですね(笑)

遺産に係る基礎控除額

各人の課税価格の合計額から、遺産に係る基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を算出します。

[box03 title=”遺産に係る基礎控除額”]

遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

[/box03]

相続税の税率

課税資産総額を法定相続分で取得したと仮定して、各人の仮の相続税額を計算し、これを合算して相続税の総額を計算します。

相続税の総額を次の速見表を活用しましょう。

出典:みずほ証券

③各人の納付税額を計算

出典:みずほ証券

各人の税額の計算

これまで計算した相続税の総額に、実際の按分割合を掛けて各人の税額を計算します。

[box03 title=”各人の算出税額”]

  • 各人の算出税額

相続税の総額×各人の課税価格/課税価格の合計額

[/box03]

相続税額の2割加算

被相続人の配偶者および1親等の血族(子・親)以外の人が、相続または遺贈によって財産を取得した場合には、算出税額の2割が加算されます。

つまり、相続税の2割加算の対象となるのは、兄弟姉妹や孫、祖父母などです。

[box03 title=”相続税額の2割加算”]

  • 相続税の加算額

算出税額×20%

[/box03]

税額の控除

相続税の税額控除には次のものがあります。

贈与税額控除 生前贈与加算が行われた場合の贈与税額を相続税額から控除
配偶者の税額軽減 配偶者には次のような税額軽減の措置があります。

相続税の総額×次の⑴⑵のいずれか小さい方/課税価格の合計額

⑴課税価格の合計額×配偶者の法定相続分
⑵配偶者の相続分の課税価格

未成年者控除 相続や遺贈で財産を取得した人が未成年者である場合、次の金額を控除します。

(20歳−相続開始時の年齢)×10万円

※1年未満は1年として計算

障害者控除 相続や遺贈で財産を取得した人が障害者である場合、次の金額を控除します。

(85歳−相続開始時の年齢)×10万円

※特別障害者の場合は20万円

相次相続控除 10年以内に2回以上の相続があった場合、一定の税額を控除できます。
外国税額控除 外国にある被相続人の財産を取得し、その国で相続税に相当する税が課された場合、二重課税を排除するため税額を控除できます。

 

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今回は相続税についてお伝えしました。

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