【相続・事業承継】独学者向けFP2級ノート1「相続と遺産分割」

今回は、FP2級独学者向けに、相続・事業承継科目の「相続と遺産分割」について発信していきます!

[box02 title=”こんな方におすすめ”]

  • FP2級学習者
  • FP2級の学習予定の方
  • FP2級の内容を復習したい方
  • 相続について学習したい方

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目次

相続とは

相続とは、死亡した人の財産を残された人が承継することです。死亡した人を被相続人、残された人を相続人と言います。

相続は人の死亡によって開始しますが、災害による行方不明など生死が不明である場合もあります。。その場合は失踪宣言によって生死不明者を死亡したとみなすことになります。

失踪宣言は、利害関係人(失踪人の配偶者など)が家庭裁判所に申し立てることで開始します。

ちなみに失踪には普通失踪と危難失踪の2つあります。

普通失踪 不在者の生死が7年間明らかでない場合
危難失踪 戦争,船舶の沈没,震災などの死亡の原因となる危難に遭遇しその危難が去った後その生死が1年間明らかでない場合

 

相続人

法定相続人

相続を受ける人を相続人と言いますが、相続人の範囲は配偶者と一定の血族者と民法で決まっています。これを法定相続人と言います。

相続人の順位

法定相続人全員が相続人になるわけではなく、血族者の間で相続人となる順位があります。配偶者は常に相続人です。

相続人の順位は次のように決まっています

  • 第一順位:配偶者&直系卑属(子供・孫)
  • 第二順位:配偶者&直系尊属(父母・祖父母
  • 第三順位:配偶者&兄弟姉妹

出典:税理士法人チェスター

  • 子供も配偶者もいるAさんが亡くなった場合、Aさんの配偶者と子供が相続人となります。
  • Aさんに子供がいなければ、Aさんの配偶者と父母が相続人となります。
  • Aさんに子供も父母もいなければ、Aさんの配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。

このように、配偶者は相続人になると決まっていますが、他の相続人については順位が決まっているので注意が必要です。

養子の扱い

実子と養子はどちらも正統な子供として扱われます。しかし、養子には一定の制限があるので注意しましょう。

  • 普通養子:養子が実父母との親子関係を存続したまま、養父母との親子関係をつくる養子縁組の養子
  • 特別養子:養子が実父母との親子関係を断ち切り、養父母との親子関係をつくる養子縁組の養子

普通養子は実父母と養父母の両方の相続人となる一方で、特別養子は養父母のみの相続人となります。特別養子は実父母との親子関係を断ち切っているからです。

未成年者を普通養子とする場合には家庭裁判所の許可が必要です。しかし、自分か配偶者の直系卑属(連子など)を養子とする場合には家庭裁判所の許可は不要です

代襲相続

代襲相続とは、相続の開始時に相続人となる人がすでに死亡、欠格、廃除によって相続権を失っている場合に、その人の子が代わりに相続することです。

出典:税理士法人チェスター

欠格とは、相続を自分にとって有利になるように相続人が違法行為を行った場合、自動的に相続人としての地位が剥奪されることです。

廃除とは、相続人から虐待や侮辱行為を受けた被相続人が家庭裁判所に申立を行うことで相続人から相続権を剥奪することです。

  • 直系卑属の場合は再代襲、再々代襲…と相続人となりますが、兄弟姉妹が死亡している場合は兄弟姉妹の子供までしか代襲相続は認められません。
  • 相続を放棄した場合には代襲相続は発生しません。

相続人になれない人

相続人の地位にある人でも、次の場合には相続人になれません。

  • 相続開始時にすでに死亡している人
  • 欠格事由に該当する人
  • 相続人から廃除された人
  • 相続を放棄した人

相続分

相続分とは、相続人が複数いる場合の各相続人が遺産を相続する割合を言います。

相続分には指定相続分と法定相続分の2種類があります。

指定相続分

指定相続分とは、被相続人が遺言で各相続人の相続分を指定した場合の相続分のことです。

  • 「一番世話してくれたらから、長男にほとんど相続する」
  • 「友人と築いた財産だから、彼に相続したい」

このように、指定相続分では被相続人の意思を尊重して相続分を割り当てます。

指定相続分は法定相続分より優先される

法定相続分

法定相続分とは、民法で定められた各相続人の相続分のことです。

なお、法定相続分は、誰が相続するかによって各相続人に割り当てられる相続分が異なります。

出典:相続サポートセンター

相続人 法定相続分
配偶者のみ
  • 配偶者:1
配偶者&子供
  • 配偶者:1/2
  • 子供:1/2
配偶者&直系尊属
  • 配偶者:2/3
  • 直系尊属:1/3
配偶者&兄弟姉妹
  • 配偶者:3/4
  • 兄弟姉妹:1/4

半血兄弟姉妹(父母一方のみ同じの兄弟姉妹)の法定相続分は全血兄弟姉妹の1/2です

寄与分

寄与分とは、被相続人の財産の増加や維持に特別の働きをした場合に貢献分のことです。

寄与分は相続分の計算に次のような影響を与えます。

  1. 全ての相続財産から寄与分を控除します。
  2. ①を法定相続分通りに按分する
  3. 寄与分を寄与者の相続分に加算する

なお、相続人以外の親族が被相続人に対して、無償の労務(療養介護など)を提供した場合には、特別寄与者として、寄与に応じた額の金銭支払いを相続人に請求できます(特別寄与請求者)

特別受益

特別受益とは、生前に被相続人から特別の援助(学費や開業資金)を受けていた場合のその贈与分のことです。

特別受益は相続分の計算に次のような影響を与えます。

  1. 全ての相続財産から特別受益を加算します。
  2. ①を法定相続分通りに按分する
  3. 生前贈与分を特別受益者の相続分から減算する

相続の承認と放棄

相続人は、被相続人の財産を相続するかどうか選択することができます。

民法では相続を承認することが原則ですが、放棄することもできます。それぞれ詳しくみていきましょう。

相続財産の承認

相続の承認には2種類あります。

  • 単純承認:被相続人の財産を全て承継すること
  • 限定承認:被相続人の資産の範囲内で負債を承認すること
  • 原則は単純承認です。
  • 相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内であれば、限定承認や相続の放棄を選択できます。
  • 限定承認をする場合は家庭裁判所に、相続人全員で申し出る必要があります。

相続財産の放棄

相続の放棄とは、被相続人の財産をすべて承継しないことです。

  • 放棄をする場合も家庭裁判所に申し出る必要があります。
  • 放棄は単独でできます。
  • 放棄した場合は代襲相続は発生しません。

遺産分割

遺産分割とは、相続財産(遺産)を相続人で分けることです。

遺産分割の種類

遺産分割には次の4種類があります。

指定分割 遺言によって遺産を分割する方法
協議分割 相続人全員の協議によって遺産を分割する方法
調停分割 協議が成立しない場合に海底裁判所の調停によって分割する方法
審判分割 調停によってもまとまらない場合に、家庭裁判所の審判で分割する方法

 

遺産分割の方法

具体的な遺産分割の方法には次の4種類があります。

現物分割 遺産を現物のまま分割する方法
換価分割 遺産を全部または一部お金に換えて、そのお金を分割する方法
代償分割 ある相続人が遺産を現物で取得し、他の相続人に自分の財産を支払う方法
共有分割 各相続人の持分を定めて共有で分割する方法

 

遺産分割協議書

遺産分割が成立したら、遺産分割協議書を作成していきます。遺産分割協議書とは、あとで問題が起こらないように協議の結果を記した書類です。

遺産分割協議書の作成は任意ですが、後々必要となる場面も多いので通常は作成します。

[box04 title=”遺産分割協議書が必要な場合”]

  • 不動産の相続登記をする場合(所有権の移転登記など)
  • 相続税を申告する場合
  • 相続人同士のトラブルが予想される場合

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  • 遺産分割協議書は相続人全員が署名・押印をして、各相続人が1通ずつ保管します。
  • 遺産分割協議書に形式の指定はありません。

配偶者居住権

配偶者居住権とは、配偶者は被相続人の財産に属した建物に相続開始時に居住していた場合、居住していた建物について無償で使用・収益(貸して家賃収入を得るなど)する権利のことです。

配偶者居住権が認められる条件は次の通りです。

  • 遺産分割により配偶者居住権を取得するものとされたとき
  • 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき
  • 配偶者居住権を取得させる旨の死因贈与契約(死亡を原因として贈与すること)があるとき

配偶者居住権は登記が必要です。

遺言

遺言とは

遺言とは、生前に自分の意思を表示しておくことです。遺言によって財産が相続人に移ることを遺贈と言います。

遺言は満15才で意思能力があれば誰でも行うことができます。

  • 遺言の内容はいつでも変更できる
  • 遺言書が複数発見された場合は作成日の新しいものが有効となる
  • 遺言者の死亡前に受遺者(遺贈で財産をもらう人)が死亡した場合は遺言の効力は発生しない
  • 被相続人は、遺言により5年以内の期間を定めて遺産の分割を禁止できる

遺言の種類

遺言には次の3種類があります。

内容 証人 検認
自筆証書遺言 遺言者が遺言の全文・日付・氏名を自書し押印する 不要 必要
公正証書遺言 遺言者が口述し、公証人が筆記する 2人必要 不要
秘密証書遺言 遺言者が遺言書に署名・押印・封印し、公証人が日付等を記入する 2人必要 必要

※検認:家庭裁判所の確認手続き

  • パソコンによる作成は自筆証書遺言はNG、秘密証書遺言はOK
  • 原本の保管場所は自筆証書遺言は法務局、公正証書遺言は公証役場

遺言執行者

遺言執行者とは、遺言書の内容を実行するために必要な手続きを行う人を言います。特別な資格は必要ありません。

遺言執行者は遺言書によって指定できますが、利害関係者の請求によって家庭裁判所が選任することもできます。

遺留分

遺留分とは

遺留分とは、民法によって兄弟姉妹(甥・姪)以外の法定相続人に保障された相続財産の最低限度の割合のことです。

遺留分権利者

遺留分権利者は兄弟姉妹とその代襲者(甥・姪)以外の法定相続人です。つまり、子供(直系卑属)、直系尊属(父母・祖父母)及び配偶者です。

遺留分の割合

遺留分の割合は遺留分権利者によって次のように異なります。

遺留分権利者が直系尊属のみの場合 遺留分=被相続人の財産×1/3
↑以外の場合 遺留分=被相続人の財産×1/2

出典:相続弁護士cafe

遺留分侵害額請求権

遺留分侵害額請求権とは、遺留分侵害額を請求する権利のことです。

遺言によって遺留分を侵害された遺留分権利者には、遺留分を取り戻す権利が与えられているのです。

  • 遺留分侵害額請求権は、相続開始及び遺留分の侵害を知った日から1年or相続開始から10年以内に行使しないと消滅する。
  • 遺留分のある相続人は、家庭裁判所の許可を受ければ相続開始前に遺留分を放棄できる。

成年後見制度

成年後見制度とは、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な人を保護する制度です。

成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度の2種類があります。

法定後見制度

法定後見制度とは、民法で定める後見制度のことです。後見、保佐、補助の3つに分かれます。

後見 精神上の障害によって判断能力を欠く常況にある人を保護する制度
保佐 精神上の障害によって判断能力が著しく不十分な人を保護する制度
補助 軽い精神上の障害によって判断能力が不十分な人を保護する制度

成年被後見人が成年後見人の代理によらず行った行為は取り消すことができる(日用品の購入以外)

任意後見制度

任意後見制度とは、判断能力が不十分になったときに備えて、本人が事前に任意後見人を選任する制度です。

任意後見契約は公正証書によって行う必要があります。

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