【独学CFPノート】金融資産運用設計1「経済指標と金融政策」

今回からCFP学習者に向けて、学習内容を整理した「CFPノート」を発信していきます!

[box02 title=”こんな人におすすめ”]

  • CFPの具体的な学習内容を知りたい
  • CFPの難易度を知りたい
  • スキマ時間にCFPの勉強がしたい

[/box02]

金融資産運用設計の第1回は「経済指標と金融政策」について学習していきましょう。

目次

国内の経済指標

経済指標とは、景気や物価、貿易など経済状況を構成する要因を数値化したものです。

金融市場は経済情勢と密接に結びついているので、経済指標の結果が金融資産価格に大きな影響を与えます。

ここでは、CFPで出題される国内の経済指標を確認していきましょう。

景気関連指標

景気関連指標とは、一国の景況感を表すを経済指標です。なかでも国内総生産と日銀短観は試験に頻出なのでしっかり覚えましょう。

国内総生産(GDP)

国内総生産(以下GDP:Gross Domestic Product)とは、一定期間内に国内で生産される財・サービスなどの付加価値の合計です。内閣府が公表しています。

一国の景況感を体系的に表している指標として、金融業界から最も注目されている指標の一つです。

GDPには名目GDPと実質GDPの2種類があります。

名目GDP その時々の物価水準で評価したGDP
実質GDP 物価変動の影響を考慮したGDP

経済成長と表現するときは、一般的に実質GDPの増加を表しているので注意しましょう。

試験頻出のGDPの計算式は絶対暗記ですよ!

[box03 title=”GDP関連の計算式”]

  • 実質GDP

名目GDP÷GDPデフレーター

  • 名目経済成長率(%)

当期の名目GDP−前期の名目GDP/前期の名目GDP×100

  • 実質経済成長率(%)

当期の実質GDP−前期の実質GDP/前期の実質GDP×100

[/box03]

日本のGDPは約550兆円ありますが、日本では1年間に約550兆円もの価値を持つ財・サービスを生産していることを意味します。

一国の経済は生産面だけではなく、分配面、支出面からも測定することができます。550兆円もの財・サービスは生産されっぱなしで放置されるわけではなく、当然購入(支出)されますよね。そして企業の売上になり、私たちの給料として分配されます。

このように、一国の経済は生産面・分配面・支出面の3つの側面から捉えることができ、それぞれの値が等しくなることを三面等価の原則と言います。

[box03 title=”三面等価の計算式”]

  • 生産面のGDP=産出額−中間投入(原材料)
  • 支出面のGDP=最終消費支出+総資本形成+輸出−輸入
  • 分配面のGDP=雇用者報酬+固定資本減耗+生産・・輸入品に課される税−補助金+営業所得・混合所得

[/box03]

近年試験で出題されるGDPギャップについても覚えておきましょう。

GDPギャップとは、潜在GDPと実際のGDPとの差(ギャップ)です。このGDPギャップの水準次第で物価に与える影は次のように異なります。

[box03 title=”GDPギャップと物価”]

  • インフレギャップ:インフレーションを引き起こす要因

実際のGDP>潜在GDP

  • デフレギャップ:デフレーションを引き起こす要因

実際のGDP<潜在GDP

[/box03]

景気動向指数

景気動向指数とは、景気に敏感に反応する指標の動きを統合した経済指標です。景気の現状把握と将来予測に活用するために、内閣府が公表しています。

景気動向指数にはCIとDIの2種類あります。

コンポジット・インデックス(CI) 景気変動の大きさやテンポを表す。CI一致指数が上昇しているときは景気の拡大局面、低下しているときは後退局面と解釈される。
ディフュージョン・インデックス(DI) 採用系列のうち改善している指標の割合。DI一致指数は、50%を上回ると景気拡張局面、下回ると景気後退局面と解釈される。

景気動向指数に採用されている指標は次の29種類です。全部覚えるのは非効率なので、試験頻出の指標だけ太字にしてあります。

先行系列
  • 最終需要財在庫率指数
  • 鉱工業用生産財在庫率指数
  • 新規求人数
  • 実質機械受注(製造業)
  • 新設住宅着工床面積
  • 消費者態度指数
  • 日経商品指数
  • マネーストック(M2)(前年同月比)
  • 東証株価指数
  • 投資環境指数(製造業)
  • 中小企業売上見通しDI
一致系列
  • 生産指数(鉱工業)
  • 鉱工業用生産財出荷指数
  • 耐久消費財出荷指数
  • 所定外労働時間指数
  • 投資財出荷指数
  • 商業販売額
  • 営業利益
  • 有効求人倍率
  • 輸出数量指数
遅行系列
  • 第3次産業活動指数
  • 常用雇用指数
  • 実質法人企業設備投資
  • 家計消費支出
  • 法人税収入
  • 完全失業率
  • きまって支給する給与
  • 消費者物価指数
  • 最終需要財在庫指数

 

景気ウォッチャー調査

景気ウォッチャー指数とは、地域の景気を観察できる立場にある人(コンビニやスーパーの店長など)を景気ウォッチャーとして選定し、地域の景況感についてアンケート方式で調査したもの。内閣府が公表しています。

アンケート結果をもとに、翌月上旬に現状判断DI、先行き判断DIを算出します。

日銀短観

日銀短観とは、景気の現状と先行きについて企業に直接アンケート調査を実施し、その結果をもとに経済状況について良し悪しを判断する指標です。日本銀行が公表しています。

日本銀行が年4回(3の倍数月)に実施、アンケート調査は全国の大手企業と中小企業、製造業と非製造業などで分けられて実施されます。

日銀短観で最も注目されるのは業況判断DIです。現在の業況と3ヶ月後の業況予測について「良い」「さほど良くない」「悪い」の3段階で回答され、「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を引いて算出されます。

[box03 title=”業況判断DIの計算式”]

業況判断DI=「良い」と回答した企業の割合−「悪い」と回答した企業の割合

[/box03]

機械受注統計

機械受注統計とは、機械製造業者の受注する設備用機械類の受注状況を調査することで、設備投資動向を表す経済指標です。内閣府が公表しています。

実績値については毎月、見通しについては四半期ごとに公表されます。

景気の先行指標として活用するためには、不規則かつ多額で景気との対応性が薄い「船舶・電力業」を除外する必要があります。

鉄工業指数

鉄工業生産は、鉄工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況の動向を示しています。経済産業省が公表しています。

在庫循環

在庫循環とは、民間企業の在庫投資と景気変動の関連性を表しています。経済産業省が公表しています。

①意図せざる在庫減少局面 景気回復の初期段階において、需要が回復している反面生産が追いついていない局面
②在庫積み増し局面 景気の拡大期において、企業の需要予測が強気であり、将来の需要増加を見越している局面
③意図せざる在庫増加局面 景気後退の初期段階において、需要が減少している反面、企業は依然として強気の見通してでいるため、在庫が予想以上に増加する局面
④在庫の調整局面 景気後退期において、需要が生産を下回り在庫が増える局面。

 

消費関連指標

消費関連指標とは、個人の消費活動の力強さを示す指標群です。

個人消費はGDPの支出面の過半数を占めますが、GDPに先立って発表される消費関連指標を確認することで、GDPの動向を予測することができます。

家計調査

全国約9,000世帯を対象として、家計の収入・支出・貯蓄・負債を示す指標です。総務省が毎月公表しています。

消費者態度指数

消費者態度指数とは、消費動向調査の結果のうち、今後半年間の見通しを基に算出する指数です。内閣府が公表しています。

  • 「雇用環境」
  • 「収入の増え方」
  • 「暮らし向き」
  • 「耐久消費財の買い時判断」

以上の項目を消費者がそれぞれ5段階に評価することで行っています。

雇用関連指標

雇用関連指標とは、一国の雇用状況を示す指標群です。後述しますが、日本銀行やFRBなどの中央銀行は雇用の安定・維持を使命とし、金融政策を実行していきます。

雇用関連指標を確認することで、金融市場に大きな影響を与える金融政策の動向を予測することができます。

完全失業率

完全失業率とは、労働力調査のなかで公表される項目の一つで、労働力人口のうち、完全失業者が占める割合を示す指標です。総務省が公表しています。

※労働力人口:15歳以上の働く意欲のある人
※完全失業率:職がなく、求職活動をしている人

[box03 title=”完全失業率の計算式”]

完全失業者数/労働力人口×100

[/box03]

有効求人倍率

有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合を示す指標です。厚生労働省が公表しています。

全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出します。

[box03 title=”有効求人倍率”]

有効求人数/有効求職者数

[/box03]

住宅関連指標

住宅関連指標とは、不動産市場の動向を示す指標です。個人の住宅への購入意欲と、不動産市場の力強さを測ることができます。

新設住宅着工件数

新設住宅着工件数とは、着工された新設住宅の件数を示す指標です。国土交通省が公表しています。

住宅着工の動向は、家電や家具の買い替え需要に繋がるので、GDPに与える影響が大きいため、注目されている指標の一つです。

マンション市場動向調査

マンション市場動向調査とは、首都圏、近畿圏を中心としたマンションの販売戸数や契約率を示す指標です。不動産経済研究所が公表しています。

調査対象月の翌月中旬に発表されるため、速報性が高く市場の関心が高い指標です。

物価関連指標

物価関連指標とは、一国の物価水準を示す指標群です。雇用関連指標と同様に、中央銀行が関心を寄せる指標でもあるので、金融政策を予測するときにも役立ちます。

消費者物価指数

消費者物価指数とは、全国の世帯が購入する財・サービスの価格変動を総合的に測定し、基準時点の価格を100として指数化したものです。総務省が公表しています。

調査品目の多いことから、生活者の実感ベースに近い物価指数と言えます。消費者物価指数はラスパイレス指数に分類されます。

企業物価指数

企業物価指数とは、企業間で取引される財を対象とし、現在時点の価格を、基準時点の価格を100として指数化したものです。

為替相場や原油価格などの変動の影響が直接的に反映されるため、短期的変動が大きいと言う特徴があります。企業物価指数はラスパイレス指数に分類されます。

マネー関連指標

マネー関連指標は、景気は物価の動向やその先行きを判断するために活用されます。

重要な指標として日本銀行が公表しているマネーストックとマネタリーベースがあるので、確認していきましょう。

マネーストック

マネーストックとは、金融部門から経済全体に供給される通貨の総量のことです。

マネーストックが対象とするのは、一般法人、個人、地方公共団体等の通貨保有主体であり、金融機関や中央政府等が保有する通貨量が対象となりません。

また、通貨の定義の広さによって、マネーストックは以下の4パターンに分類されます。

M1 現金、普通預金、当座預金などすぐに現金化できるもの
M2 M1+定期性預金(準通貨)+CD(譲渡性預金)
M3 M2+ゆうちょ銀行
広義流動性 M3+投資信託+金融債+銀行発行普通社債+金融機関発行CP+国債+外債

マネタリーベース

マネタリーベースとは、日本銀行が金融部門を含めた経済全体に供給する通貨量のことです・ハイパワードマネーとも呼ばれます。

[box03 title=”マネタリーベース計算式”]

マネタリーベース=日本銀行当座預金+日本銀行券発行高+貨幣流通高

[/box03]

国際収支指標

国際収支指標とは、一定期間における一刻のあらゆる対外経済取引を体系的に記録したものです。財務省と日本銀行が共同で作成します。

この計算式はよく出題されるので、絶対暗記しておいてくださいね。

[box03 title=”国際収支統計の計算式”]

経常収支+資本移転等収支−金融収支+誤差脱漏=0

[/box03]

各項目について詳しくみていきましょう。

経常収支 貿易・サービス収支 ・貿易収支:国内居住者と外国人との間のモノの取引を計上
・サービス収支:旅行・輸送・知的財産権の受取・支払
第1次所得収支 ・直接投資収益:親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払
・証券投資収益:株式配当金及び債券利子の受取・支払
・その他投資収益:貸付・借入、預金に係る利子の受取・支払
第2次所得収支 居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供(無償金協力、寄附など)に係る収支状況
資本移転等収支 対価の受領を伴わない固定資産の提供、債務免除のほか、非生産・非金融資産の取得処分等の収支状況
金融収支 直接投資、証券投資、金融派生商品、その他投資及び外貨準備の合計
誤差脱漏 誤差や漏れを修正する項目

 

海外の経済指標

次に、海外の経済指標についてみていきましょう。滅多に出題されないので、簡単に確認する程度で大丈夫です。

海外の経済指標について姉妹サイトで詳しく解説しているので、そちらをご参照ください。

最後に、金融政策についてみていきます。近年出題されることが多くなっているので、しっかり学習していきましょう。

金融政策

金融政策とは、中央銀行が公開市場操作などの手段を用いて、金融市場における権利の形成に影響及ぼし、通貨及び金融の調節を行うことです。

金融政策は国によって異なりますが、概ね共通しています。主に日本の金融政策が出題されるので、中心的にみていきましょう。

日本の金融政策

日本の金融制作は、中央銀行である日本銀行が行っています。現在日本銀行が行っている主な政策についてみていきましょう。

公開市場操作(オペレーション)

公開市場操作とは、日本銀行における金融市場調節の主な手段であり、買いオペレーションと売りオペレーションがあります。

買いオペレーション 日本銀行による資金の貸付や国債の買入など、金融市場に資金を供給するオペレーション。市場に資金を供給することで、金利を低めに誘導する効果がある。
売りオペレーション 日本銀行が振り出す手形の売り出しや日本銀行が保有している国債の買戻条件付売却など、金融市場から資金を吸収するオペレーション。資金を吸収し、金利を高めに誘導する効果がある。

長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策

長短金利操作付き量的・質的金融緩和とは、日本銀行が行っている代表的な金融政策です。名前がやたら長いので分解して説明していきます。

長短金利操作 短期金利操作 日本銀行当座預金のうち、政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用すること
長期金利操作 10年物国債金利が概ねゼロ%程度で推移するよう、長期国債を買い入れること
質的金融緩和 長期国債の保有残高を年間約50兆円に相当するペースで増加させることにより、マネタリー・ベースを年間約60~70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うこと
量的金融緩和 買い入れる長期国債の平均残存期間を3年弱であったものを7年程度にすること、不動産投資信託(REIT)、上場投資信託(ETF)の保有残高を2年間で2倍に相当するペースで増加させ、リスク資産を買い増すこと

日本の財政

税効果会計の意味と必要性

財政とは、国や地方の経済活動のことです。国の歳入の中心は租税収入であり、歳出の中心は社会保障関係費ということをおぼえておきましょう。試験に出ますよ(多分)

歳入 歳出
税収 624,950 国債費 235,082
その他収入 63,016 一般歳出
社会保障関係費
-社会保障関係費以外
-臨時・特別の措置
619,639
-340,627
-258,732
-20,280
公債金
-建設国債
-赤字国債
326,605
-69,520
-257,085
地方交付税交付金 159,850
合計 1,014,571 合計 1,014,571

 

また、財政の分野で試験によく出るのが基礎的財政収支です。プライマリーバランスとも言います。

基礎的財政収支とは、国債費を除いた歳出と公債金収入を除いた歳入のことであり、国の財政状態を表す収支です。計算問題として頻出ですから公式を暗記してくださいね。

[box03 title=”基礎的財政収支の計算式”]

  • 基礎的財政収支

=公債金収入(国債発行収入)を除いた収入−国債費を除いた歳出
=(税収+その他収入)−(一般歳出+地方公勢交付金)

[/box03]

[jin-w-sen color=”#eeeeee” size=”10px”]

これまでCFPで出題される「債券の分類・発行条件・リスク」を学習しました。

CFPの学習方法やおすすめのテキストについて解説している記事もあるので、併せて読んでみてください!

あわせて読みたい
【CFP】独学CFPの勉強法とオススメのテキストを元証券マンが解説 皆さんこんにちは。牧野です。 今回はFP資格の最高位、CFPの勉強法とオススメのテキストについて発信していきます! CFP資格試験ってなんぞや? CFPの試験概要は? 具体...
応援励みになります
URLをコピーする
URLをコピーしました!
目次
閉じる